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2025/06/03 23:20

今年5月に行った窯焚きが無事に終了しました。
備前焼を制作する上で、窯に作品を並べる窯詰め作業~窯焚きは作品を完成させるための最後の工程になるため、体力と精神を一番使う場面になります。
暑さを感じる場面もありましたが、大きな問題もなく終わりましたのでやっと一息つけるといったところです。
今回は窯詰めや窯焚きの合間に撮影した画像と共に作業工程の様子をご紹介したいと思います!
まずは窯詰めの様子。
並べる段階で、場所によってある程度焼成後の焼き色がわかるため、狙いたい焼き色の場所に応じて窯に作品を並べていきます。
並べ方によっては窯の温度が上がりにくくなる場合もあるため、窯の中の火の流れもしっかりと考えながら窯詰めを行います。

手びねりの小物などは灰が掛かりすぎると顔の表情などがわからなくなる場合があるため、灰が掛かりにくい下の方に並べたりします。

こちらは当店の登り窯と呼ばれる窯になります。
年に一度、松の割木を燃料に使用して焼き上げています。
昼夜問わず3人交代で一週間ほどかけて窯焚きを行います。

焚き口から火が噴き出す様子。
窯焚き後半になると窯内部の温度も上がり、薪の量もどんどんと増えていきます。
薪を入れるタイミングがずれると温度がうまく上がらないこともあるため、火の燃える音や窯内部の燠(オキ:薪が燃えて炭のようになったもの)などを見ながら、温度を徐々に上げていきます。

窯の中に炭を入れて作品に炭桟切(スミサンギリ)と呼ばれる模様をつける工程。
作品表面に炭が付着することで、多彩な景色が現れます。
ただこの工程、想像するとわかるかもしれませんがめちゃくちゃ熱いです…
終わった後は全身から汗が吹き出します。

窯焚き終了後、約10日程かけてゆっくりと窯を冷ましていきます。
この期間、作品がどんなふうに焼けたのかとっても気になりますが、うまく焼けたことを祈りながら窯出しまで待ちます。
窯出しは1年の成果が現れる場面のため、作品を見るまでは不安な気持ちなることもありますが、うまく狙い通りの焼き色が現れた時などはやりがいや達成感を感じる場面でもあります。
窯から作品を出した後は、作品表面についた灰などを取り、表面を滑らかにするやすりがけの作業、水を入れて漏れがないかなどの確認を終えたのちに完成となり、皆様の元へお届けすることができます。
今回焼き上げた作品たちは今後ショップにも随時追加をしていく予定ですのでぜひ楽しみにお待ちいただけたらと思います。
新商品も多数追加予定ですのでお楽しみに!